テキスト・リッチテキスト・HTMLメールの違い

テキストメール

テキストメールはその名の通り、テキストのみで構成されたメールのことです。

見たままを表示しますので、記号やラインなどで装飾したり、見出しや署名でメリハリをつけて読みやすくします。

作成するのに専門知識の必要はなく、メールを受け取る側のメーラーよって、表示が崩れたり、表示されないということもありません。

HTMLメール

HTMLメールは、画像や動画をメールに表示させたり、自由にレイアウトを変えることができます。

伝えたい内容を魅力的に訴求できるため、テキストメールよりも約３倍クリック率が高いといわれています。
そして、メールを開封したかどうかの計測ができるため、広告効果を図るためにBtoCのマーケティングで多く利用されています。

このように大きなメリットのある HTMLメールですが、デメリットもあります。

一つは、Webサイトを作るときに使用する言語（HTML、CSS）を使うため、専門の知識が必要です。

また、メールを正しく表示するかどうかは、受け取った側の閲覧環境に依存します。
メールを受け取る側のメーラーがHTML対応していないと、記述内容がそのままテキストで表示されてしまいますし、メールの容量がテキストメールよりも大きくなるので、開封するのを嫌がる人もいます。

リッチテキスト

リッチテキストも、HTMLメールの一種です。何が違うのかというと、HTMLメールよりもテキストが中心なところと、手軽に画像を表示させたり文字を装飾したりできます。

作業も HTMLメールに比べて簡単なので、更新の方法を覚えてしまえば、あまり知識がない人でも配信することができます。

複雑なレイアウトはできませんが、HTMLメールに比べて表示崩れが起こる可能性も低くなります。
そして、メールを受け取った側のメーラーの設定で画像が表示されないことがあっても、テキストの割合が多いので、ユーザーに内容を伝えることができます。

ビジネスで HTMLメールを送るのは NG?

HTMLメールは、表現力の豊かさが人気で BtoC のマーケティングでは広く活用されています。
ですが、HTMLメールに画像や動画だけでなく、悪意ある仕掛けを仕込むこともできため、BtoB などのビジネスの場面では使用しないことが暗黙のルールでした。

HTMLメールはウイルス感染の危険がある

有害なスクリプトが含まれた HTMLメールを開いたり、URL にアクセスしたり添付ファイルを開くことで、メール受信者の個人情報が盗まれたり、受信したパソコンが悪影響を受けたりすることがあります。

ウイルスに感染すると受信者のパソコンが被害を受けるだけでなく、さらに他のパソコンにウイルスを感染させてしまう危険性もあるのです。

会社全体のパソコンがウイルス感染してしまい、外部から攻撃を受けて大きな被害になってしまうことも考えられるため、HTMLメールは迷惑メールフィルターで削除している会社もたくさんあります。

セキュリティとプライバシーへの配慮

IT サービスが今後ますます増えていくなかで、セキュリティとプライバシーは社会にとって大きな問題となりつつあります。

アクセス解析ツールや広告などにも使われている Web ビーコンを利用すれば、メールを開封するだけでユーザーのアクセス情報の収集も可能です。
Web ビーコンで分かる情報は、IP アドレスによって大まかな所在地を特定することが可能なことと、同じ IP で閲覧時刻を集めることで性別や年齢が推測可能と言われていますが、あくまでも傾向を知るために利用するものなので、個人を特定できるような仕組みはありません。

ですが、取得したデータを組み合すことで、精度の高い広告をユーザーへ表示できるため、それを便利だと思うのか、気持ちが悪いと思うのかは、個人の受け取り方次第です。

サービスを便利にするために個人の情報を活用するのであれば、プライバシーへの配慮をおろそかにしてはいけません。
そのためにも、ユーザーが求めるプライバシーの権利に配慮したサービスを提供する必要があります。